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後神幸祭の無事を祈願する花神子社参式
防府天満宮において花神子社参式が10月13日に行われたので取材しました。
防府天満宮についてはこちらの金鮎祭についても参考にしてほしいと思います。
花神子社参式は、11月23日に行われる御幸神祭(ごじんこうさい)、通称「裸坊祭(はだかぼうまつり)」において、大行司、小行司が無事奉仕できるよう祈願するために行われます。
裸坊祭についてはこちらの記事もどうぞ。
そのため新米でつくられた一夜づくりの御酒を天満宮まで未婚の童女に奉献させます。
その際、防府駅から防府天満宮まで約2キロの行程を、花神子を花駕籠、御所車に乗せながら、途中商店街を通って絢爛豪華な時代行列が巡業します。
御幸神祭は菅原道真公が無実の罪で大宰府に左遷され、失意の中で亡くなった御霊をお慰めするために行われるものです。
御幸神祭、通称裸坊祭については後日、別の記事で紹介したいと思います。
この大行司、小行司とは当行事を司る最高責任者です。
道真公が太宰府への西下の途中、国司を頼り当地勝間の浦にご着船された折に、国司と共に道真公の送迎をもてなした国庁の官吏の末裔といわれる藤井家が大行司役、同じく清水家が小行司役を奉仕しています。
行司は白袴で馬に乗っていますのですぐにわかります。
防府天満宮は菅原道真公を奉る神社なので、神紋は梅紋です。
道真公は大宰府に左遷される前、自分の邸宅の敷地に梅を植えてその花を愛でていました。
東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 主(あるじ)なしとて 春な忘れそ
梅の花よ、春風が吹いたら匂いを寄越してくれ。
主人が不在でも春を忘れるな。
日本の花といえば今でいえばまずは桜ですが、この時代は中国文化の影響下にあり梅でした。
しかし皮肉なことですが、道真公は唐の衰退を感じて遣唐使を廃止し、のちの時代に宮廷に国風文化を花開かせるきっかけを作ります。
道真の時代を境にして、日本の花は梅から桜へと変容していくのです。
防府駅前から防府天満宮まで時代行列
行列はJR防府駅から出発します。
JR防府駅から防府の銀座商店街を通って天満宮まで行列します。
銀座商店街は地方の商店街の例にもれずに、普段は人通りが少なく閑散としていますが、この日は往時の賑わいを取り戻したかのように多数の人でにぎわいます。
行列は先乗武家、御酒奉行、典医など総勢500人以上、約1時間以上かけて歩きますので、籠にゆられる神子さんのなかにはついつい眠ってしまう子もいます。
行列では花神子でも上位に位置する局(つぼね)がいて、それに10名の女官がつきしたがいます。
行列の先頭は商売繁盛の道化師役の人たちが踊りながら練り歩きます。
天満宮に到着すると、花神子さんたちを中心に記念撮影が行われて、境内の石段を登って本宮に参拝します。
三日月堂珈琲
天満宮近くにある良質の豆を使った自家焙煎のコーヒーのお店が三日月堂珈琲です。
今回は季節もののマロンティラミスワッフルを頼んでみました。
マロンクリームとクリームチーズを合わせた、口当たりの軽いワッフルです。
甘栗とナッツをトッピングし、コーヒーソースで大人の味に仕上げた秋の季節にふさわしいスイーツです。
天満宮にはほかにもおもしろい喫茶店やカフェがありますのでまた紹介したいと思います。